総合運——きたる未来、波乱万丈の幕開け
勉強運——努力を怠るべからず
健康運——良しとは言い難し
恋愛運——想い人の心は遠くにあるであろう
内容を見てさらにショックを受ける。なんだかすべてにおいて、この先の人生絶望的なんだけど。
これは、うまくいかないからやめておけっていう神様からの思し召し?
ショックを受ける傍で「お、大吉だし」という水野君の浮かれた声がする。
「私、凶だった……ついてないや」
「運気が上がるんじゃねーのかよ」
「上がって凶だったのかもね……はは」
ショックを隠せず、自棄的になりながら力なく笑う。
せっかく参拝しておみくじを一緒に引けたのに、凶という結果にすべてを台無しにされた気分だ。ジンクスの効果も半減どころか、ゼロに近いんじゃないかな。
「書いてある通りうまくいかなくても、夏目ならちゃんと乗り越えられるだろ」
「そんなことないよ。私、ガラスのハートの持ち主だから」
「強化ガラスのハートのまちがいだろ。なにがあっても、図太い神経とそのしつこさがあれば大丈夫なんじゃねーの?」
「ひどい。ディスられてる気しかしないんだけど。水野君って、ほんっとに失礼だよね」
憂うつな気持ちでおみくじを細くたたんで近くの木にくくりつける。少しでも縁起がいいように、背伸びしながら高い位置へ結んだ。
同じく、水野君も私の隣に並んでおみくじを結んでいる。
背伸びしなくても、軽々と高い位置に結んでいるのを見てドキドキしてしまった。
やっぱり男の子なんだなぁ、なんて。