自分から誘っておいて、思わず突っ込んだ。水野君って意外とノリがいいというか、占いとか信じやすいタイプ?

早速神社の参拝の列に並んで順番を待った。よく見ると浴衣姿の若いカップルばかりで、きっとみんなジンクスを信じて好きな人を誘ったんだろう。

ジンクスにすがりたくなる女の子の気持ちが、痛いほどによくわかる。

「カップルばっかだな。そんなに運気が上がるのかよ、ここの神社は」

「あ、はは。だね! みんな、期待してるんじゃない?」

「どんだけ神任せなんだよ」

水野君は一ミリも疑うことなく私の言葉を信じている様子。罪悪感がないと言えばうそになるけど、ジンクスのことなんて言えるはずがない。

列が前に進み、とうとう私たちの番がやってきた。財布から五円玉を出してお賽銭箱に投げ入れ、鐘を鳴らす。

パンパンと手を合わせて目を閉じ、思いを馳せる。

水野君と私は、この先どうなりますか?

この恋の行方を教えて下さい。

ただ参拝するという行為が、好きな人が隣にいるだけで特別なことのように感じる。

水野君もお賽銭を入れて鐘を鳴らし、まじめに手を合わせてなにやら真剣な表情。

なにをお願いしてるのかな。水野君のことだから、瑠夏ちゃんのことだろうか。

気になりつつおみくじを引き、紙を開いてみる。

『凶』

きょ、きょうって……。

ついてなさすぎるんですけど!