情熱的に愛してⅡ

「いえ……」

「おまえはいつも、自分の事を隠すんだな。」

部長は、ビールを一口飲むと、目の前にあった料理を、私の前に滑らせた。

「食え。腹いっぱいになったら、悩みなんで吹き飛ぶ。」

「はい。」

私は部長の言葉を信じて、とにかく目の前にある、納豆オムレツを口の中に入れた。

「どうだ?美味しいか?」

「おいひいです。」

部長は、私の肩をゆすった。


大丈夫だ。俺がいるから。


そんな言葉が聞こえてきそうだった。

それが、胸に染みてしまった。

だんだん温かくなってきて、それは涙に変った。


「おいおい、今日は泣かせる為に、連れてきたんじゃないぞ。」

「……はい。」

私は、箸を持った右手で、涙を拭いた。