三人は印刷物を持って、コピー機の前であれこれしている姿を見ると、私も入社したての頃は、ああだったなぁと思い返す。

「なあ、中原に任せてよかったのか?」

隣の席の亘理君が、椅子を寄せて来た。

「どうして?」

「中原だろ?清水に嫌がらせしてるの。」

私は、フッと笑った。

「それと仕事は別でしょ。」

「へえ。さすがは主任。」

嫌みなのか誉めているのか分からない間に、亘理君は自分のデスクへ戻った。


やがて、コピーを終えた三人は、また中原さんのデスクに戻って来た。

「冊子を作る時は、ここのテーブルを使っていいからね。」

近くにある共有のテーブルの上に、コピーした紙を置き、中原さんは楽しそうに、冊子にするのを教えている。