「そうね。仕事も頑張らないと、お気に入り君はゲットできないもんねぇ。」

嫌みで言ったつもりなのに、あっさりと交わされ、中原さんはトイレから出て行った。

お腹の中がモヤモヤする。

一体、何なのあれ!

でも直ぐに、真正面から受け取る性格を、後悔した。


あんな風にからかわれたって、何気なく受け流せばいいのに。

私の、いけないところだ。


反省しながら外に出ると、廊下で中原さんと門馬君が話しているのを見た。

中原さんの可愛らしい仕草。

女の私でも、目を奪われてしまう。

そうだ。

中原さんは、堂々と門馬君を口説いてもいいのだ。

その時、胸がズキッとなった。

嫌だ。

門馬君が誰かのモノになるなんて。


その時、私は自分の嫉妬心が、嫌になった。