そして数日後。

トイレの洗面台で、中原さんに会った。


「お疲れ様です。」

「お疲れ様。」

同期の仲だと言っても、私達は浅い関係だ。

「そう言えば、新人のカッコいい男の子。」

中原さんが、前髪を直しながら、話しかけてきた。

私がそっと鏡を見ると、中原さんは鏡越しに、私を見つめている。

ニンマリ笑うところが、私の胸をざわつかせる。

「清水さんの、お気に入りなんですってね。」

やはりそうだと、私は静かに息を吐いた。

「どこまで、進んでいるんですか?」

「どこまでって?」

「例えば、一緒に飲みに行くとか?」

腰をくねらせ、可愛い女をアピールさせている。

「まさか。新人の子達と飲みに行った事はないわよ。」