バスタオルで髪を拭き、私はビールの缶を開けた。

「大体、年下よ。」

なのに、門馬雪人のあのクールな眼差しが、私を捉えて離さない。


あの、資料の表紙をじっと見ていた時の仕草。

私は、それを忘れたくて、顔をパンパンと叩いた。

忘れたい。

でも、忘れられない。

思い出すだけで、体が熱くなる。

どうして?

年下なんて、今まで好きになった事ないのに。


私はビールを、一気に飲み干した。

「はぁー……」

大きなため息をついて、テーブルに横になった。


好き。

だけど、付き合えない。

そう思ったら、なぜか涙が出て来た。