情熱的に愛してⅡ

「もしかして、今の仕事辛いか?」

部長の前で、鼻をすすった。

「いえ。」

「こんな時でもいいえか。泣いた時くらい、本音を吐けよ。」

生真面目な私に、部長は呆れかけていた。


「いえ、本当に仕事は楽しいんです。」

私は、言い訳をした。

「なら、何がそんなに辛いんだ?」

部長に聞かれても、答えられなかった。

「……周りの目か?」

でも部長は、その訳を知っていた。


「あのなぁ。上に昇れば、人に妬まれるのも多くなるんだよ。そんな事、一々気にしていたら、この先、やっていけないぞ。」

「はい。」

「俺は清水を、ここで終わらせるつもりはない。もっと上に昇らせるつもりだ。」

私は、部長の方を向いた。