かちゃり、
とドアをこわごわ開ける。



誠司さんは、
机から椅子を離し、画面に映るものが
全て見えるようにしてくれていた。




こっちの画面には、
打ちかけの何かの記事。


あっちの画面には、
何かの研究資料。


向こうの画面には、
株価、よく解らないグラフ、
よく解らない外国の人のライブ映像……




予想を上回った。

でも、動揺しなかった。





「わたし、どうしたら誠司さんのお役にたてますか」





少しの間。


「俺のために、ずっとご飯作ってて。って言ったら、みんなに怒られるから、この家の一階をカフェにしちゃおう」