ゆっちゃんのゼミの話を聞きたいと思った。



だから、
杏仁豆腐を作って、待ってみた。



「ただいまあ」

「ゆーっちゃん!杏仁豆腐、食べる?」


予想通り。

「えっ本当!?食べる食べる!嬉しい!」



外は雨が降り始めた。


聞くなら、今だ。




「ゆっちゃんの就職先、どこなの?」





ぽつりと言う。
「お寺ではない」






そして、もう一言。

「誠司の、紹介で。ちょっと言えないけど、遠くで書道家の道開けてる。いつも、部屋にこもってたの、それなんだ」






誠司さんのお仕事の話を、
聞くべき時だ。

わたしの頭は、珍しく混乱する。