正直、折り合ってもらえるかはわからない。

だけど、きちんと会って話す機会を、彼は与えてくれた。

覚えているだろうか、あの日、共に作った歌のことを。

たとえ覚えていなくても、ちゃんと伝えれば分かってもらえる。

わたしは自分にそう言い聞かせて、彼のレコード会社の扉を開けた。



緊張しながらも、わたしは受付に向かい、

「あの、seiyaさんとお約束をしている、千歳という者ですが…」

すると受付の女性は、ニッコリと笑って、

「はい。お伺いしております」

と言って、わたしを中へ通してくれた。