昼になっても、わたしは家でゴロゴロとしていた。

活動を休止してから、いつもこうだ。

光星と言う男がいること以外は、本当に変わりはない。

「なぁ、千歳。健一くんと作った歌の楽譜ってないの?」

ボーッとしているわたしに、訊いてきた。

「その棚のファイルの中にでも、入ってない?」

答えると、彼はガサゴソと探し始めた。

10分くらいしただろうか、彼は一枚の紙を取り出し、声を上げた。

「これだ!『マリオネット』」

そしてジイっとその楽譜を見る。

「この字、なんか雑だなぁ」

「どれ?」

「ほらこれ」

差し出されたそれを見ると、確かにかなり雑な字で、ギターのコード譜が書かれていた。

いや、でも…

「それ、seiyaさんが書いたやつ。超貴重だよ。そんなこと言わないの!」

「ええっ、これが⁉︎なんか想像つかない」

「でも、本当だから。凄いと思うよ、今も第一線で活躍してるからね」

わたしの言葉に、彼は頷いた。

「その曲をさ、出すことはできないの?」

「は?」

突然の言葉に、わたしは固まる。

「だからさ。その『マリオネット』を、千歳の新曲として、出せないのか?」

その瞬間、わたしは答えを見つけた。