君と奏でる、永遠のメロディー

扉を閉めると、わたしの体は急に力を失って、その場にへたり込んだ。

「千歳、そんなところで何してんの?」

頭上からの声に、わたしは顔を上げた。

「…健一、くん…」

何故だかわからないけど、わたしの2つの瞳から、涙が頬を伝って流れ落ちた。

「なぁ、どうしたんだよ」

彼は優しくわたしの背中をさすってくる。

少し落ち着いてきて、

「健一くんこそ、どうしてこんな所にいるの?」

わたしは尋ねた。

「図書室行こうと思ってさ。こないだ借りた本を返しに」

「…そっか」




ビュウっと風が吹き抜ける。

もうすぐ5月で、だんだんと暖かくなっているんだろうけど、日の当たらないこの廊下は相変わらず寒い。

「ここじゃ寒いだろ?一緒に図書室行こう」

「うん」

彼に連れられて、わたしは図書室に向かった。