小さい頃のわたしは、歌うことが本当に大好きだった。

父も母も音楽が好きで、わたしは3歳からピアノを習い、小学校では卒業の歌の伴奏もした。

両親はその事をとても喜んでいたけれど、わたしは正直、そんなに乗り気ではなかった。

その頃から、わたしはピアノを弾く事よりも、歌うことの方が好きになった。

そんなわたしに、父はギターをプレゼントしてくれた。

ギターだったら、弾き語りも出来るだろうと。

わたしは毎日練習した。

父の誕生日にハッピーバースデーを歌ってあげると、

「千歳はホントに歌が上手いなぁ」

と言って父は喜び、母もそれを見て微笑んでいた。