僕はその後も歌い続けた。

どれも自分が好きな歌で、みんなそれを聴いてくれて、何だかすごく気持ち良かった。

その時、僕は発症した。

さっきの女の子のことが、頭から離れなくなってしまったのだ。

まだいるのか確かめたい気持ちはあるけど、恐ろしくて出来ない。



視線を上に向けたり、時々目を瞑ったりして、なるべく彼女の方を見ないようにして、約10曲歌った。