「…寂しいよ~披露宴に知らない人ばっかりって」

そうか。そうだよな。

先輩は主役で忙しいし。

「…」

「まあ、誰か仲良くなるかもしれないか。サヤトみたいな人もいるかもしれないし」

あたしはクローゼットを閉めて、振り返る。

「…いないと思うよ」

どういう表情をしてるのかと思ったら、羽は笑ってる。

「そんな希望のないこと言わないで」

言って、すぐ後ろのベットに腰掛ける。

「希望って。サヤトさんはサヤトさんしかいないんだよ」

「…わかってるけどさ、いないじゃん。だから、ツカサもあきらめて、ほかのヒト探さないとね」

「…探さないといけないんだ。…羽ちゃんじゃダメってこと?」

つい、詰め寄ると、

「また、そういうこと言う。…オレはもう大丈夫だから」

傷口をパクッて開かせて、何を言ってるんだろう。

って、なんで、傷口開くんだ?