美味しそうにっていうか、可愛く食べやがる。

何だろ、このヒト、いちいち可愛いなあ。

あたしのお酒の周り方が、異様に早いのかなぁ。

「ずっと、放っておいてごめんね」

「オレこそ…サヤト、引き止められなくて、悪かったって思ってる」

「それは仕方ないよ」

あたしを見て、ホッとしたような表情をする。

よっぽど、思いつめてたのかもしれない。

「羽ちゃんが消えちゃうんじゃなくて、本当に良かった」

言って、羽の方を見る。

怖くて、あんまり見てなかったけど、羽の胸元を見る。

…少し、何かが揺らいでいるように見えなくもなくて、傍まで這って行って、手を伸ばす。

そのまま、シャツの上に触れると、羽に腕をつかまれた。

ごっ、ごめん、断りもなく触ってっ。

焦っていると、そのままぐいっと引っ張られて、あたしは羽の身体に乗り上げるようにぶつかった。

「ごめ…」