吐露するキズ跡



で、再び、羽ちゃんのおうち。

わざとどこか

へ出かけちゃってたらどうしようとか、いろいろ、いろいろ、考えたけど、羽ちゃんは、素直に、普通にインター
フォンに反応して出てきてくれた。

「はい、これ。手料理じゃないけど、ご飯買ってきた」

自分の分の、ご飯とビールもある。

「あ、酎ハイもある」

この間、飲もうとして、トウゴに奪われた、酎ハイ。

それを、羽は、性懲りもなく、すっと袋の中から取り出して、

「ダメだって。また気持ち悪く…」

取り上げようとするのを、かわされて、プルタブを起こす音が響く。

何やってるんだよ…

アルコールへの耐性のなさ、半端ないヒトなのに。

「知ってた?」

羽はニッコリ笑うと、缶をあおる。

あーあ…

「…オレ、飲めるようになったんだ」