吐露するキズ跡

「オレ、ツカサのこと振った覚えないんだけどな。て言うか、そもそもツカサに告白されたこともない」

うわ。

いつかのことは、なかったことにされてるな。

それとも、本当に、聞こえてなかったのかな。

羽をこっち側に連れ戻すために必死だったし、羽もそれどころじゃなかったから。

でも…

トウゴの姿が頭をよぎる。

それで良かったのかも知れない。

「あの、話、進めてもいいかな」

「どうぞ」

「結婚式するのはあたしじゃなくて、あたしの先輩なんだ」

今日、頼まれたのだ。