とりあえず謝らせてから無理矢理にでも理由を聞き出してやろうと思っていた。
――が。
「……」
「な……!?」
今回は違った。
謝りもせず、ツンッとそっぽを向いている藍子は、頬を膨らませ唇を尖らせている。
それはまるで、そこまで出て来ている言葉が出て行かないようにしてるかの如く。
「藍子!」
「……」
「何だその態度は!」
「……」
「こっち向け!」
「……」
「藍子!」
ひと際大きく怒鳴った翡翠は、「北風と太陽」の話を思い出した。
頭に血が上っていても、どこか「冷静な自分」が翡翠の中にはいる。
いや、もしかしたら「いつもと違う藍子」に、嫌でも冷静さを取り戻したのかもしれない。
――が。
「……」
「な……!?」
今回は違った。
謝りもせず、ツンッとそっぽを向いている藍子は、頬を膨らませ唇を尖らせている。
それはまるで、そこまで出て来ている言葉が出て行かないようにしてるかの如く。
「藍子!」
「……」
「何だその態度は!」
「……」
「こっち向け!」
「……」
「藍子!」
ひと際大きく怒鳴った翡翠は、「北風と太陽」の話を思い出した。
頭に血が上っていても、どこか「冷静な自分」が翡翠の中にはいる。
いや、もしかしたら「いつもと違う藍子」に、嫌でも冷静さを取り戻したのかもしれない。

