ピコン。メッセージアプリの通知音が鳴る。
胸ポケットに入った黒いスマートフォンを取り出し、メッセージアプリを起動する。
送り主は、「翔」。中学に入学して初めて出来た異性の友達で、私の親友…美波を好きな人。
『美波可愛いどうしよw』
ふう、とひとつため息をついてキーボードを操作する。
『知ってるよ、当たり前じゃん笑』
送ってから既読がつかないことを確認して、電源ボタンを落とす。
「…私だって、美波のこと好きだから…」
そんな想い、誰にも言えるわけがない。
私は、
美波に出会った時から、
誰よりも美波が好きだ。