私は教室をでた
彼は犬のように私についてきた
私たちの学校は5階建て
2-Cは3階
3階から1階
1階から4階へと順番に案内した
移動中は案の定静かで教室名を教える時は教室名の名札を指さした
最初はなんで口で言ってくれないんだろうっていう目で見られた
でも次第にそんな目ではなくなっていた
きっと、クラスの女子に言われたことを思い出したのだろう
5階の音楽室を案内し終わって教室に戻る時間になった
けれども私は下には降りなかった
「どこ行くんだよ?」
「……。」
彼の質問には答えなかった
答える意味がないから
…だって行ったらわかるもの
「ここ屋上だよな?」
ーガチャガチャ
「あかねーぞ?」
開かないって言ってる彼の袖を引っ張ってあるものを見せた
「...鍵?
あ、屋上の?」
学校からぱくった鍵を私は彼に見せて開けた
私はそそくさと歩いていった
なんて言ったって今日の空は青磁色が輝いて見えたから
こんな青く澄んだ空のように私の心も綺麗になってくれないだろうか
「案内してくれてありがとうな!
春川さんって...」
「美...」
「え?
なんて?」
「美結...」
この時の私はどうかしていたのか
なぜ声をだしたのか
青磁色の空に背中を押されたのか
ほんの少し変わりたいと思えた
背を向けたまま私は彼に顔だけを向け、髪はなびく
「よろしくな、美結!」
そう彼は笑って八重歯を見せて言った
けれども私は笑えなかった
笑いたかったのに笑えなかった
……いつ裏切られるかわからないから
彼は犬のように私についてきた
私たちの学校は5階建て
2-Cは3階
3階から1階
1階から4階へと順番に案内した
移動中は案の定静かで教室名を教える時は教室名の名札を指さした
最初はなんで口で言ってくれないんだろうっていう目で見られた
でも次第にそんな目ではなくなっていた
きっと、クラスの女子に言われたことを思い出したのだろう
5階の音楽室を案内し終わって教室に戻る時間になった
けれども私は下には降りなかった
「どこ行くんだよ?」
「……。」
彼の質問には答えなかった
答える意味がないから
…だって行ったらわかるもの
「ここ屋上だよな?」
ーガチャガチャ
「あかねーぞ?」
開かないって言ってる彼の袖を引っ張ってあるものを見せた
「...鍵?
あ、屋上の?」
学校からぱくった鍵を私は彼に見せて開けた
私はそそくさと歩いていった
なんて言ったって今日の空は青磁色が輝いて見えたから
こんな青く澄んだ空のように私の心も綺麗になってくれないだろうか
「案内してくれてありがとうな!
春川さんって...」
「美...」
「え?
なんて?」
「美結...」
この時の私はどうかしていたのか
なぜ声をだしたのか
青磁色の空に背中を押されたのか
ほんの少し変わりたいと思えた
背を向けたまま私は彼に顔だけを向け、髪はなびく
「よろしくな、美結!」
そう彼は笑って八重歯を見せて言った
けれども私は笑えなかった
笑いたかったのに笑えなかった
……いつ裏切られるかわからないから

