「優しくて、頭も良くて面倒見も良くてしっかりしてて。こんなに学級委員にぴったりな人、いないと思いまーす」
「いやあ、でも本人がやりたいって言ってるわけじゃないだろう?」
「藤村さん、中学の時も学級委員やってたので、そのへんは大丈夫かと。ねえ、優里?」


たしかに彼女の言う通りで、中学も学級委員をやることはよくあった。けれどそれは、周りに押し付けられただけなんだ。


まるで「反論なんて許さない」とでも言いたげな、同級生の強い口調に反論できるわけがない。そう考えるほどに、私の心はどんどん冷めていく。


「藤村、本当に大丈夫なのか?」
「はい!大丈夫ですよ!」


心配そうな先生に対して、得意の笑顔を作って笑って見せる。

先生はほっと一息ついて、

「悪いなあ藤村、よろしく頼む。じゃあ、ちょっと遅くなっちゃったけど今日はこれで解散にします。お疲れ様」

と、言った。