完全に出遅れたなあ、と思っていると後ろから「優里!」と、わたしの名前を呼ぶ声が聞こえてきた。振り返ってみるとそこには、中学校の同級生が2人立っていた。
「優里も1組だったんだね〜」
「優里がいるならひと安心だ」
「わたしもだよ!2人がいてくれてよかったよ〜!」
2人の会話に耳を傾け同調しながら、ああよかった、と考えていた。
知っている人がいてくれたら、クラスで1人ぼっちになって孤立することはない。これまで通り、友達とたわいのない会話をして、友達に同調して、高校生活も平和に過ごしていけるだろう。
「入学式のあとって何するんだろ」
「とりあえず学級委員決めるんじゃない………」
友人ととりとめのない話をしていた時だった。一際存在感を放つ男子が教室に入ってきた。

