わたしがそう言ったとき、夏目くんは日誌を書き終えたようで、私たちは書き終えた日誌を提出すべく鞄を持って職員室へと向かった。
無事に仕事が終わり、職員室を出たとき、夏目くんは誰もいない廊下で突然立ち止まった。
「…夏目くん?」
「やっぱ、自分を偽ってまで友達と一緒にいるなんて間違ってると思う」
夏目くんは相変わらずまっすぐ私を見据えてそう言った。彼のそのまっすぐな目が、私はとても苦手だ。
夏目くんの言うことは、憎らしいくらい正しかった。
「そんなことして作る友達なんて、本当の友達じゃねえよ」
「っ、そんなことわかってるよ。分かっててやってるんだよ」
わたしは、痛いところをつかれたのを隠すように、目をそらしてそう言った。

