「てか、ヤンキーとか、怖いし」
「………ぷっ」
夏目くんから明かされる衝撃の事実と、見た目と中身のギャップの差に、とうとう笑いが堪えられなくなったわたしは、声を出して吹き出した。夏目くんはそんな私を見て、日誌を書く手を止めて目を丸くしていた。
「ごめっ失礼だよねっでも、面白くて…ぷくくっ夏目くん、見た目と中身でギャップありすぎてつぼった…くくっ」
「なんだ、ちゃんと笑えるんだ」
「え」
どういうこと?と、声にする前に、夏目くんは言葉を続けた。
「入学式の日、学級委員を押し付けられてたとき、藤村さん笑って引き受けてたけど、あのときの笑顔って作り笑顔だよね?」
「、」
「友達と話すときも、愛想笑い浮かべて。その笑顔が、なんか気持ち悪かった」
なるほど納得した。入学式の〝気持ち悪い〟は、私の笑顔が気持ち悪いと言うことだったのか。
何も言い返せないのは、図星だからだ。
「…夏目くんの言う通りだよ。わたし、みんなに偽物の笑顔作って、自分を偽ってる」
「なんでそんなことすんの?」
「そうやって周りに合わせてたら、周りの人は離れていかないから」

