「え?」
「あ、いや!今すっごく失礼なこと言った!ごめんなさい!!!」
「あー。よく勘違いされるから大丈夫。慣れてる」
夏目くんは、日誌を書き続けながらそう言った。
「見た目でヤンキーって勘違いされるけど、俺普通の学生だから」
「え、嘘でしょ」
「嘘じゃない。5限なんだっけ」
「数Iだよ。え、じゃあなんで髪を茶色に染めてるの?」
「サンキュー。これ地毛なんだよね」
「え、じゃあなんでいつも目つき悪いの?!」
「目悪いから癖で目細めちゃうんだよ」
「……じゃあタバコ吸ったことは」
「あるわけないよ。身体に悪いし」
「じゃあ本当に」
「ヤンキーじゃない」
そう言った夏目くんは、どうやら本当にヤンキーではないらしい。まさか髪が地毛で、視力が悪いだけだったとは。見た目でめちゃくちゃ損してるじゃないか。今すぐコンタクトか眼鏡を着用することをおすすめしたい。

