私を助けに来たのはケンイチだった。 一番見られたくない人に見られた。 ぐちゃぐちゃになった制服のシャツ。 上のほうの太ももまでめくられたスカート。 ケンイチはその男を殴り、私の手を引っ張って車に乗せ、私の家に向かった。 車の中では会話は何もなかった。 沈黙が痛かった。 私は、私は・・・ 私の「最初」はケンイチがよかったのに。