「ヒカリちゃん?」 「・・・はい?」 30前後の男の人が笑顔で話しかけてきた。 「ケンイチの彼女でしょ?モデルやってる」 「あっ、はい、そうです。」 「音楽の世界にも興味ある?」 「う~ん・・そうですね。ピアノ習ってるから、いつか曲とか書けたらいいなぁとか思いますけど。でも、難しくって」 「打ち込みとか知ってる?」 「えっと、機械を使うんですよね?」 「そうそう。興味あったら、今、少し教えようか?ケンイチたち、まだ戻ってこないよ」 「あっ、知りたいです」 そのときの私は無知だった。