そして私の誕生日当日。


仕事場でスタッフさんたちからケーキと花束をもらい、プチお誕生日会をひらいてもらった。



仲良しの「チサ」から電話が来た。


チサはアイドルグループの3人組ユニットで活躍してるんだ。


大学は違うけど、同じ大学生芸能人ってことで仲良くなった。


「ヒカリ~、おめでと。」


「チサ、ありがと~。」


「マオたんとお祝いすんの?ていうかさ、マオたん、体だいじょぶ?」


「え?体?」


「毎日病院行ってるって聞いたよ?」


「病院?」



私、知らない。そんなこと全然知らない。何で?何でマオは隠してるの?


何だかすごく寂しくなった。



「知らないよ・・・。マオ、どこが悪いの?」


チサが不思議そうな声を出した。


「違う違う、お母さん」


「へっ?」


「お母さんが手術したって聞いたけど」


「お母さんが?」


「うん。でも普通の子宮筋腫らしいから、そろそろ退院じゃないのかな?きっとヒカリに心配かけたくなくて、黙ってたんだと思うよ?マオたんって一人息子なんでしょ?だから、毎日面会行ってたんじゃない?会ったときに聞いてみたら?あたしのマネージャーが言ってたから間違いないと思うけどさ」



もめたりすることは今まで一度もなかった。誕生日にそういうことするのはイヤだけど、お母さんが病気ならちゃんと話して欲しいし。だから、今夜聞こうって決めた。