「今年の文化祭は何するかなー」


「面倒くさいし、楽なのでいい」


「ったく、晴人はもうちょっと楽しもうぜ?」



はぁ、何でこうなった。智也と一緒帰るはずが......

なぜか、坂上君もいるし。



「陽菜実は、何やりたい?」


「えっ?!」


急に話をふられちょっとびっくりした。

「んー喫茶店とか?劇もやってもたいな〜」


「劇こそ、やりたくないな」


坂上君が、面倒くさそうに言う。
確かに、坂上君ならやりたくないって言いそう。


「でも、晴人なら王子役とかなりそうだな」


「絶対やだ」

坂上君はスッパリと言った。


王子役かぁー

智也がやったら、絶対カッコいいんだろうな。見てみたいっ!


そう思っていたら、もう分かれ道になっていた。
もうお別れか。
早いな......



「あ、陽菜実、今日も送ろうか?」

「えっ!?」


まさかの言葉を言われ、驚いた。
嬉しいっ....!!
奇跡みたいに嬉しい。


「本当っ!?ありが......」

「ごめん、星川さんと話したい事あるから俺が送るわ」





「............え?」








「そっか、じゃあなー」


手を振りながら、智也が帰っていく。

ま、待ってぇぇ

どんどん、智也が見えなくなる。


「星川さん、こっちでしょ」

私の帰り道の方向を指さしながら言った。
どんどん進んでいく坂上君の後を追いかける。


「ねぇ、どうゆう事?」

「何が」


本当はわかってそうなのに.....
どうゆう事なんだろう。

「で、話したい事って....なに」



「......お前らさ、名前で呼び合ってたよな。なんで」


「.......!」



えっ.......


気づいてたんだ.....


「告白したの?」

「し、してないよっ....ただ私が頼んだだけ.....」




「上野さんから、智也をとるってこと?」



「そ、そうことじゃなくてっ....諦めようとしたけど....無理だった......私、思ったんだ、まだ智也のこと好きなんだって......」





「ふーん、いいんじゃない、別に」



「え......」


正直驚いた。
坂上君には反対されるかと思ったから。




「ふふっ、ありがとう」

「なんだよ、気持ち悪い」




そんな事を言いながらも、顔が赤くなっているのが見えた。
本当は、嬉しいのかな?

坂上君って、ツンデレかもなぁ
本人に言ったら絶対殺されそうだけど。




「あっ!坂上君、顔も綺麗だからお姫様役とかもできそうだねっ!」


「マジでやめろ」