私は、気になり穂乃果の後をついて行った。


ササっと、ダンボールの陰に隠れる。


みんなから、変な目で見ている事も気づかず耳をかたむける。


2組の前で話してる二人。




「智也、今日一緒に帰ろうよー」


「!!」

あ、やっぱり。

智也って、言ってる。



「ごめん、今日用事があって...代わりに穂乃果が食べたいって言ってたクレープおごるからさ」



え.......嘘、月野君も.....




涙がにじんできた。


ほら、やっぱり。坂神君。

二人は両思いだよ......



あれだけで、泣いちゃうなんて私、どんだけ好きなんだろう......




「やったっ〜!じゃあ、また今度行こうね」


「ああ、じゃあな」



二人の会話は終わり、月野君がこっちに向かってくる。



あ、どうしよ、どうしよう



「何してんの?」



急いで隠れたけど、無理だったみたいだ。


あっという間に、見つかってしまった。



「え!?星川っ...な、泣いてる...?」


「あ......」


泣き顔を見られてしまった。

最悪だ.....



「大丈夫っ!?」

やってしまった...

私が泣いてるせいで月野君完全に困ってる......


「大丈夫だって〜目にゴミ入っちゃただけだよ」



「本当に?」


ちょっと、疑ってる。

だよね、普通ダンボールの陰になんかにいないもんな......





「うん!ほら、教室戻ろっ!授業始まっちゃうよ」


私は誤魔化し、必死の笑顔を作る。




あの後、授業で先生の話は全く頭にはいってこなかった。


ずっと、ぼーっと考えているだけだった。




何をそんなに考えているのかもわからなかった