見事、鹿の角は旅の途中の商人に売りつける事が出来た。
商人はレンジャーと錬金術師(アルケミスト)の三人で旅をしていた。
なるほど、薬の調合に長けた者の同行は心強い事であろう。
アルケミストも貴重な植物を手に入れるためには旅に出る事が最良であり、戦える者もいるのであれば好都合である。
レンジャーなればその腕を存分に活かせるのは町の外である。
最も、レンジャーの仕事がそれだけではない事を我は知っておる。
そして、レンジャーは武器の扱いだけでなく、エルドシータほどではないが天候を読む能力にも長けておる。
「エルドシータ? 初めて見た」
レンジャーの男は驚いた様子でシレアを見つめている。