共に旅が出来ることは教えてやった。今は休みどきだ、変身を解き体を横たえる。
[我は自由にするぞ]
「勝手にすればいい」
我の体は真白で、焚き火の色を鮮やかに映しておる。我はこの様子も好きである。
[辺境の民は王都にはあまり立ち寄らないと聞いたが]
自然を愛するエルドシータは、人の多い場所はあまり好まない。
「導かれるように足が向いたと言っていた」
[ほほう。不思議な事もあるものよ]
昼間は人としてシレアと旅をし、夜はこうしてのんびりと会話を交わしたい。共に旅をする事で、我はこの者の人となりを知るのだ。
「ひとつ、いいか」
[なんだ]
「お前の鱗は白くはない」
[なんと!]
「言うなら乳白色だ」
[白に近いはずだ]
「言い切ったな。まあいい」
シレアはそれ以上、言及はしてこなかった。なんともあっさり折れおった。我の体色などこだわるに値しないということか、我とのやり取りが面倒になったのか。
もっと気むずかしい者であるのかと思うておったがいやはや、これからが楽しみである。
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