ーーコッコッ

シーンと、静まり返った教室に、チョークと黒板がぶつかる音が響いた。途中、本当にいいのか気になって拓真を見たら、ウインクをしていた。

だからまた、書き始めた。

本当の気持ちを、あたしの症状を。

嘘偽りなく、文字を書いた。

あたしがチョークを置くと、

「終わった?」

と聞いたので、頷いた。

「咲蘭の気持ち、見てやってくれないか?」

みんな、頷いた。

〈私は、対人恐怖症です。だから、親しくない人だと、全く喋れません。だけど、私は、お友達がほしいんです。今まで、誰一人、お友達はいませんでした。拓真が、初めてのお友達なんです。そして、彼氏でも〉