「……っ!」

そのプレゼントは、拓真が10歳の時からある。

贈ろうと思って、贈れなかったに違いない。

毎年ちゃんと、お誕生日プレゼントを買っていた。

黙っていなくなっちゃったことを、悪いって思いながら。

「母さんっ……」

「拓真……」

「咲蘭っ」

ーーギュッ

「わーっ、わーっ」

拓真……

彼の涙声は、悲しく切ない。

今まで一度も見たことがない泣き顔を、あたしは目に焼き付けた。