そう呟くと、拓真は泣きだした。

「母さっ……」

あたしは、幸せだよね……

ママも、パパも、お兄ちゃんもいて……

仲がよくて……

「咲蘭」

「ん?」

「捜してくれて、ありがとう」

「……っ」

微笑んで、あたしにそう言った。

「拓真っ……そうだ……これ」

「え?」

拓真に渡したのは、プレゼントだ。

「拓真のお母さんが、持ってたの」