キスは甘い蜜の味

「お、墓……?咲蘭、どうゆう……」

「拓真のお母さんは、一週間前に、亡くなってた……」

「……っ!」

「仕事場に行く途中で、事故に巻き込まれて……即死だったって……」

「じ、事故って……」

「拓真と同じ、猫ちゃんを庇って」

「……!」

その猫ちゃんは、無事だったそう。

「それで……」

「言って……」

「え?」

拓真の目には、涙が溜まっていた。

だけど、泣くのを堪えているみたいだ。