「咲蘭っ……」

拓真のために、捜してみよう……

確率は低いけどでも、拓真のためにーー大好きな人のために。

捜そう。

絶対、見つけてみせる。

拓真、待っててね。

あたしは、助けてもらってばっかいる。

だから今度は、あたしが助ける番。

大きくて、頼もしい背中が、小さくて、震えていた。

泣いているから。

まるで、飼い主に捨てられた子犬みたいに。

あたしは、拓真を喜ばせたい。

絶対にーー