「その先公は、誰なんだ」

拓真?

優しくない、冷たい声であたしに聞いた。

「数学の先生っ……」

「チッ……」

舌打ちをして、校舎に入って行こうとした。

「拓真?なにするの?」

あたしに顔を向けず、こう言った。

「決まってんだろ。そいつをぶっ殺す」

「……!ダメ!そんなことしちゃ!」

「咲蘭」

「……っ」

優しい声で、あたしの名前を呼んだ。

「大丈夫」