「咲蘭、いつもこんなことされてんのか?」

「……っ」

あたしは頷いた。

いつも、お水をかけられたり、チョークの粉をかけられたり、ゴミをかけられたり。

助けてくれる人は、誰一人といない。

「先公は、このこと知ってんのか?」

「拓真っ……」

「なに?」

「助けてっ……」

「え?」

あたしが助けてほしいのは、いじめなんかじゃない。

違うこと。