「俺を、医者にしようとしてたんだ」

あいつって……

結城先生?

「一人息子だからさ。だけど、血が苦手だって分かったんだ。それに元々、医者になる気なかったし……それでーー」

ドサッと、なにか落ちる音が聞こえてきた。

だから、音がした方を見るとーー

「黒板消し?」

「間違って落としちゃったんじゃない?」

「そだね」

拾おうとしたらーー

ーーバシャーン

「キャッ!」