キスは甘い蜜の味

あたしは、その場に座り込んだ。

「咲蘭……」

トサッと音が聞こえて、ギュッとあたしを抱きしめた拓真。

「……っ!」

「よく、頑張ったな……いい演技だったよ……」

ほら、やっぱり。

演技してたって分かってたんだ。

「だけ、どっ……あ、の言、葉はっ……嘘じゃ、な、いよっ……?」

震える声で、精一杯言った。

「知ってる……嬉しかったよ……ありがとう……」

「うっ、うっ……」