キスは甘い蜜の味

弱々しくそう言った拓真。

あたしを見つめるその目には、微かに涙を溜めていた。

「なっ、なに言って……」

「答えて咲蘭……」

「……!」

今野くんだ。

今野くんが拓真に、変なこと言ったんだ。

「幸せだよ」

「……っ」

「すごく幸せ。拓真と、結婚したいぐらい」

「……っ!」

「本当だよ?」