ドアを開けた途端、教室中がざわつきだした。 教卓の前に行き着くまでに幾重もの視線が体に突き刺さる。 高校の転入はそうあるものではない。クラスメイトは珍しいものを見るように私を見た。 「それじゃあ、桜田、自己紹介を」 「さ、桜田 伊吹ですっ。よろしくお願いします。」 周囲でパラパラと拍手が起こる。 初見で女だとバレるかもって心配だったけど大丈夫だったみたい。