「君は僕の養子だけど名前は以前の桜田 伊吹のままだからね。
あ、そうだ、これをつけたほうがいい」
藤堂さんが差し出したのは度の入っていない伊達メガネだった。
「君はすごく女の子らしい顔立ちだからこれがないとバレるかもしれない。用心していつも付けておくんだよ。」
しばらくして、戦いのステージ、凰蘭高校が見えてきた。
やがて、車が止まり、私は外へ足を踏み出した。
絶対にもとの世界に帰ろう。 いや、帰ってみせる…………。
「あ、一つ大事なことを忘れてた!」
藤堂さんは時間が無いようで、早口でいった。
「君と僕以外の人に君の正体がバレたら君はそこでゲームオーバー、つまりもとの世界に帰れなくなる。ずっとここに留まったままになってしまうんだ。だからくれぐれも気をつけてね!」
最後の言葉を言い終えるやいなや、車が急発進し見えなくなってしまった。

