目が覚めるとこじんまりとした部屋の中にいた。
目の前には三十代くらいで爽やかな雰囲気の男性が腰掛けていて……
「やあ、いらっしゃい。」
コーヒーカップを片手に声をかける情景はまるでドラマのワンシーンのよう。
「……あの、あなたは一体……」
「ああ、僕は藤堂誠一と言って、ち ょっとした会社を経営してる者なんだけど………………おかしいなあ。あの人からは男だと聞いて来たのに……。」
はぁ………、と頭の整理が追いつかずつい間の抜けた返事をしてしまう。
「まあ、そんなことよりも君には説明が必要だよね。」と、藤堂さんは姿勢を正して話し始めた。

