ハッピーエンド

 
 桜田が去った後……しばらくテーブルに沈黙が落ちた。
 瞬は何を考えているのだろうか目を伏せて手も動かさない。

 そして唐突に口を開いた。

 「……桜田が何を隠してたってお前には問い詰める資格はないだろ。」
 
 瞬は多くを言わなかった。だが、その目を見れば言わんとしていることはすぐに理解できた。

 ……そうだな。俺もお前に隠していることがある。だけど、お前は知っていてそれを問い質したことはなかったよな。

 「……俺、ちょっと行ってくるわ。」

 「ああ。」