移ろいゆくもの、変わらないもの

                         



「…あ、遼ちゃんは相変わらずイケメンだ」


遼ちゃん──こと、遼太(リョウタ)という男子生徒は、写真の中で爽やかに微笑んでいた。

クラス1、つまり学年1のイケメンで、写真うつりも良い。
私と違って自然に微笑む彼が、ちょっと羨ましく思う。

ただ、そんな遼ちゃんは、性格が災いして特別モテる、というわけではなかった。
……まあ、もともと私たちは全員幼なじみ!的なものだったから、あんまり恋愛の話はしなかったけど。

とにかく遼ちゃんはうるさい。
よく授業中騒いでは、先生に怒られていた覚えがある。


流風が懐かしそうに目を細めた。

流風は基本、誰が相手でも同じように接するから友達が多かったけど、遼ちゃんとはよく一緒にいた気がする。


「こっちは花純(カスミ)じゃん」


流風が、私と仲の良かった友達を見つけ、声を上げた。

花純は、目がぱっちりした小柄の美少女で、肩より少し長かった髪を耳の高さで一つに束ねている。

眼鏡をかけて控えめに笑う、どことなく小動物のような愛らしさをただよわせる彼女がまさか、卓球部のエースだとは誰も思わないだろう。




懐かしいクラスメイトの顔をじっくり眺め、それからページをめくる。

次は、クラス内での日常の写真だ。


「あ、これはいい!」


個人写真よりよっぽど自然な笑みを浮かべた私が、右手で作ったピースを顔の横に当てて写っていた。
隣では花純が両手でピースを作っていて、奥の方では、たまたま写り込んでしまったであろうクラスメイトが談笑している。


流風も、個人写真より自然な笑顔で、カメラに向かってピースをしていた。
遼ちゃんに無理やり肩を組まれたらしく、流風の隣ではじける笑顔をはなっている遼ちゃんに比べると、苦笑に近い表情だけど。