あの人の言う通りベランダには
沢山の洗濯物が干してあった。
いつの間にか外では大雨が降っていた。

手当たり次第に中へと運び
ソファの上にドサっと乗せると
自分の部屋のベッドに寝転んだ。

外の雨音を随分長く聞きながら
伊織ちゃんの事を思い出す。

まさか、まだ探してるなんて
あり得ないよな。
そんな非常識な事、あり得ない。

そう頭では思うのに俺は
堪らず外へと飛び出していた。
だって伊織ちゃんは
非常識な人間だから。